marutomu_なんちゃってマーケティング

はったりマーケターのメモ書き

CASEとかMaaSとか自動車業界に何が起こっているのか

 

私の勤めている会社は、大きくくくると自動車業界。なので、ここで書いていることも自動車業界を想定して書いています。

ということで今の自動車業界について考えているところを書いてみます。
(改めて、100年に一度の変革と言われていることについて)

100年に一度の変革

自動車の歴史自体が、百数十年ぐらいかと思うので、100年に一度というと実質初めての変革のようだが、それぐらいのインパクトということなのでしょう。

CASEとMaaS とは

おさらいとなりますが、『CASE』というのは技術を中心とした言葉。『MaaS』は自動車に限らない公共交通機関のシームレスなサービスのことです。

(念のため書くと)
『CASE』のそれぞれは、
・C(コネクテッドカー)、A(自動運転)、E(電動車)で、これらの技術を生かしたS(シェア&サービス)ということなのですが、普及時期はどんどん後ろ倒しになっている気がします。コロナ影響でまた遅くなる、あるいは生活の変化が起こり、普及が早まるのか、読めないです。
そして『MaaS』(「マース」と読むのが正しいらしい。)
・これは、一言で言うと「公共交通機関のシームレスな検索・予約・決済」が基本で、そこに周辺の事業(飲食・宿泊・買い物とか)まで含むようです。なので個人が持っている自家用車は対象外となります。

CASEとMaaSの普及の原動力

これらの原動力は、消費者からのものではなく、国/政府視点での社会課題解決としての意味合いが強いと思う。
都市化による高齢化、都市集中による交通事故/渋滞、地方は過疎化による公共交通機関の確保と地方創生、ドライバー不足による物流効率課題、そして温暖化等環境問題などの社会課題の解決というのが大きな原動力だと思う。

一方、これらに対する自動車メーカーの原動力は、
・環境規制への対応
・時代変化への対応と思う。
前者はCO2削減を軸とした規制に対応しないと市場に残れない。
後者は所有から利用とかデジタルに対応しないと将来事業が成り立たない。ではないかと。

では、消費者がこの動きに乗っかるか。これが誰も予測できずにメーカーはマネタイズが不透明ながら全方位で取り組んでいるというのが現状だと思います。

CASEの『E』

E=電動化。EVの販売普及が難しいのは、マーケティングの基本となる、
『価値=性能・機能÷価格』がガソリン車を上回っていないから。
維持費は安いが、車両価格は高く、充電設備まで考えると経済合理性は無い。
だから各国は普及のために補助金や税優遇をしている。
しかし、EVは車両価格以外にも、「航続距離が短い」「充電時間が長い」「充電場所が少ない」と、今までのガソリン車とは違う使い方、考え方が必要となる。
これらは、改善はしてきているが、ガソリン車同様とまでは行っていない。

CASEの『A』

Aは自動化。自動化はLV.0からLV.5までの段階がある。
大きく分けると、LV.2までがヒトに責任がある「運転支援」のレベル。
そして、機械が責任を持つLV.4と5にわかれる。
後者は個人向けではなくBtoB事業者が中心。前者はアイサイトやプロパイロットみたいに一般(BtoC)向け。と別の議論をしないと間違ってしまいます。
(LV.3は、機械が責任を持ちながら、何かあるとヒトに責任が移ると言うもので、法的にも技術的にもめんどくさそうなポジションと勝手に思っています。)

CASEの『A』と『E』

自動化と電動化は、組み合わせの相性がわかりやすいと思います。
自動運転×EV→BtoBのシェア等「利用」
運転支援×ハイブリッド→BtoCの「所有」
という感じにわかれるのでは。
そうすると、自動車メーカーとしては、BtoBでEVの台数を稼いで環境規制対応。BtoCで所有価値をあげて収益を稼ぐというバランスを取った構えがいいと思います。
『A』と『E』を「完全自動運転」と「バッテリーEV」として考えると、この普及は上に書いた繰り返しですが、BtoBから普及する。
自動化は過疎地の足、物流ドライバー不足、交通渋滞/事故、そして電動化は環境問題という、社会課題へのソリューションですので。
事業化の問題は「S」となりますが、ここはまだマネタイズが見通せないかなと思います。

CASEの『C』

Cはコネクト。これは、他のASE技術およびMaaSを成立させるため、また社会の交通課題解決のためのインフラとして、マストで一番はじめに普及していくと思われる。(コネクトが前提となっている)

CASEの『S』

Sはシェア&サービス。新しい技術を新しいサービスで、新しい事業にしていかなければ、将来生き残れなくなってしまう。

今までの自動車メーカーは、クルマを造って売って、収益を稼いでいたわけですが、将来は「サービス」で収益を出していかないとです。
簡単では無いですし、他の業界の会社が利益を持っていってしまうかもですが。